六雁農園情報

  • 開園:2008年春
  • 場所:千葉県若葉区富田町
  • 栽培野菜:(昨年)約70種

うるい にわとこ 土筆 わらび タラの芽 こごみ 日光きすげ 甘草  アズキ菜 蕗の薹 蕗 行者にんにく 筍 田芹 つる菜 川みどり 胡瓜数種 冬瓜 白瓜 はやと瓜 苦瓜 南瓜数種 小松菜 水菜 壬生菜 ほうれん草 縮みほうれん草 玉ねぎ ジャガイモ数種 サツマイモ数種 里芋 海老芋 ヤーコン 紫長芋 アピオス 赤ずいき 蓮芋 人参 金時人参 茗荷 紫蘇 棒茗荷 長葱  ズッキーニ パプリカ数種 ピーマン 甘長唐辛子 万願寺唐辛子 唐辛子数種 白菜 キャベツ ブロッコリー カリフラワー数種 大根数種 蕪 独活 岡ひじき 落花生 生姜 オクラ 花オクラ にら トマト数種 千両茄子 加茂茄子 長茄子 蕎麦  インゲン豆 平豆 絹さや とうもろこし  栗 西瓜 メロン 柚子 柿 梅 プラム ブルーベリー 野苺 猿棃 桑の実



六雁農園主旨

  1. ハウスを使わず、自然に従った農法を行い、鮮度と安全性、そしてエネルギーにこだわる 「身土不二」「土産土法」「十里四方の野菜」を目指す。
  2. 農協の規格による野菜ではなく、料理に最も適した成長具合の野菜を朝摘みし、エネルギーを損なわずに、その日のお客様に御提供する 市場で手に入らない野菜も育てる。
  3. 山菜採り名人が全国の山で集めた稀少な山野草の苗を六雁農園で育てる。
  4. 料理長が全国を巡り、出会ったその土地ならではの美味しい珍しい地方野菜を移植し育てる。
  5. お客様と共に野菜を育て、収穫し、その場で調理し、共に喜ぶ 土と自然、農作業を通して、人材・組織を活性化する。


秋山総料理長が語る“六雁農園”


何かが違う? いつもそう感じていました。

東京には、日本全国から、また世界から、あらゆる食材が集まります。お金さえ出せば、それらが指定した時間に指定した量、私たちのキッチンに運ばれてきます。
でも、それでいいのか?
通常、日本料理の料理人は、魚の鮮度・保管には異常なほどの神経を使いますが、野菜の鮮度・保管については、気の配り方が魚ほどではないのでは? 今、保管という言葉を使いましたが、素材は何に限らず、その日、使う量だけを仕入れ料理する。冷蔵庫の要らない保管の必要のない仕事、これが究極の理想です。野菜に関して言えば、前圃から、使う分だけ採った野菜を間を置かずに調理する。それが長年の夢でした。
春の定番、木の芽和えを作る時、青寄せという天然色素を山椒の芽と共に加えます。昔は、無料に近い形でいくらでも手に入った大根の葉を使って効率よく青寄せを抽出したと言います。しかし、今は大根の葉をそれだけ大量に集めるには、かえってコストがかかり、仕方なく決して安くはないホウレン草(少し臭いが残ってしまいます)で代用します。 出荷前に大根は葉を落とされ、その葉は捨てられていると聞きます。かつて、日本料理では、その葉を干して、干し菜にし「軒しのぶ」という雅名までつけて、大事に料理に使っていました。もう今は伝わっていない素材であり、料理です。
時代が変わった、それで納得していいのでしょうか?
野菜は一日でどれくらい成長するのでしょうか?晴れの日は?雨の日は?
同じ株から採れる野菜でも、最初に生るもの、最盛期のもの、終わりの頃のもの、その味や質感、エネルギーの違いをどれくらい知っているでしょうか?
野菜なんていつも同じもの、そんな無知なるがゆえの先入観が存在していないでしょうか?
野菜を育てると、食べきれないほどの収穫があるといいます。一粒の種が何十倍にも、時に百倍にもなる。こんな投資効率のいいものが、人間が創ったもの(リターンがいいと言われた投資ファンドでも、いったい何パーセントの見返り?)にあるでしょうか?
食べきれずに腐らすのがもったいないから、漬け物にしたり、保存食を作ったりします。漬け物(沢庵・柴漬け・白菜漬・梅漬等)や柚子胡椒などなど、いったいどれだけの料理人が自分で作っているのでしょうか?また、作れるのでしょうか?

何かが違う?いつもそう思っていました。そして、思っているだけでは何も始まらない!
そこで、私たち六雁は農園を始めました。

農園長をやって下さる仲田さんの御指導のもと、少しずつですが、私たちは自分達の疑問を自分達自身で解き明かそうとしています。 私たちはプロの料理人ですが、仲田さんに、野菜の本当に美味しい食べ方を教えて頂くことが度々あります。同じ茄子や胡瓜でも、成長に応じて、料理の仕方を変える。そこには、自然(野菜)を支配するのではなく、自然(野菜)に従うという謙虚な姿勢があります。市場に出ない野菜、野菜の新芽 花 摘み菜なども、農園をやり始めたことで、お客様にお楽しみ頂けるようになりました。
調理場の中にいるだけでは、分からないことが畑の中で学べます。たとえば、季節の移り変わり、知識としての旬ではなく、目の前の本当の野菜の旬……。
さらに、土に触れて感じることは、人間も自然の一部にしか過ぎないということです。土に触れると人はなぜか癒されます。
自然との共生、野菜との共生、大地が私にエネルギーをくれるように感じます。そして、そのエネルギーをお客様に伝えなさいと誰かが私に語りかけます。
大地のエネルギー、野菜のエネルギー、農場長仲田さんのエネルギーに、六雁キッチンスタッフのエネルギー、さらにサービススタッフの愛情エネルギーを加えて、お客様に御提供するのが、私たち六雁の料理です。


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